2019年9月11日午前2時(日本時間)からAppleの発表イベントが開催され、iPhone11をはじめとする新しいデバイスやサービスが公になりました。
今回は、イベント内で発表された内容をまとめてご紹介したいと思います。*1
Apple Arcade
ゲームプレイし放題の新サービス誕生
以前発表されていたApple独自のゲームサービスが「Apple Arcade」。
そのApple Arcadeの詳細が、遂に発表されました。
AppleArcadeの概要
- 料金:月額600円(初回1ヶ月無料)
- アカウント共有:家族6人まで
- サービス開始:2019年9月20日(日本時間)
今回特筆すべきは、その料金の安さです。
月額600円という価格設定だけでもかなり安い印象をもちますが、なんとこのサービス、最大で家族6人まで共有することが可能なのです。
仮に6人の家族で共有した場合、1人あたり月額100円とさらにリーズナブルになります。3〜4人の家族で共有しても150〜200円ですから、価格破壊と言っても過言ではないでしょう。
1年使っても7,200円!
端末もiPhoneなど多くのApple製デバイスを使えますから、今後ゲーム専用機のメーカーは戦略の再考を促されることになるかもしれません。
Apple TV+
Appleの本気が覗えるApple TV+の価格設定
Apple Arcadeに続き、Apple独自の動画配信サービス「AppleTV+」についても、詳細が発表されました。
料金体系についてはApple Arcadeと同じスタイルとなっており、単独でもかなり安い部類に入ります(下記参照)。
コンテンツの数をどこまで増やせるか次第ですが、Netflixなどの競合他社は価格戦略の見直しを迫られるやもしれませんね。
AppleTV+の概要
- 料金:月額600円(初回7日間無料/対象端末購入者は1年間無料)
- アカウント共有:家族6人まで
- サービス開始:2019年11月1日
さて、AppleTV+の興味深い点の1つが、特定の端末を新品購入したユーザーを対象に1年間の無料視聴期間を設けていること。
9月11日以降、正規ルートでiPhone- iPad- Apple TV- Mac- iPod touchを新品購入したユーザーが対象で、これなら気軽に始められるのではないでしょうか?
この辺りは、ハードウェアも作っているAppleならではの戦略ですね。
iPad(7th)
遂にSmart Keyboardと10inch超のディスプレイに対応
ここまでサービス系の発表が続きましたが、もちろんハードウェアの発表も行われています。
最初に登場したのがiPad(7th)モデル。いわゆる「無印iPad」の新型です。
iPad(7th)の概要
- ディスプレイサイズ:10.2inch
- CPU:A10Fusion
- 生体認証:Touch ID
- Smart Keyboard:対応
- Apple Pencil:対応(第1世代)
- ストレージ:32/128GB
- 価格:34,800円〜
- 発売日:9月30日
今回のiPadを一言で言うと、「iPad(6th)の焼き直し」といったところ。
実際、ディスプレイサイズの拡大やSmart Keyboardへの対応といった変更点はあるものの、CPUは先代と同じA10Fusionを採用しており、処理能力の面ではそこまで大きな進歩はないものと思われます。
その為、現在iPad(6th)をお使いの方が無理をして買い換えるような機種ではないでしょう。
Apple Watch series5
常時点灯モードで時計としての完成度が高まる
今回の発表会で一番実用的な進歩を遂げたのは、このデバイスかもしれません。
初代モデルから数えて5世代目、series5となった今年のApple Watchでは、先代のseries4をベースにさまざまな機能が追加されました。
Apple Watch series5の概要
- モデル構成:ノーマル(アルミ/ステンレス)/Edition(チタン/セラミック)/Hermès/Nike
- ディスプレイ常時点灯モード:対応
- コンパス機能:対応
- バッテリー駆動時間:最大18時間
- ストレージ容量:32GB
- 発売日:Nike以外のモデル…9月20日/Nikeモデル…10月4日
series5は見た目はseries4そのままで、基本的な機能も同じです。
その中でもっともわかりやすい違いは、ディスプレイが常時点灯になったこと。従来のApple Watchは節電のためディスプレイは必要な時以外消灯されていましたが、series5は普通の時計と同じようにディスプレイが表示されます。
これまでの「腕を動かす→ディスプレイが表示される」というスタイルでストレスを感じていた方にとっては、嬉しい改善ではないでしょうか?
なお、ディスプレイのパワーマネジメントが改善された為、バッテリーの最大駆動時間は先代のseries4と同じです。
また、本体内にiPhoneと同じようにコンパスを内蔵することで、地図アプリを表示する際に向きをユーザーの動きと連動できるようになりました。
Apple Watchで地図を見ることがどの程度実用的かは微妙なところですが、扱いやすくなったことは確かではないでしょうか。
iPhone11
通常モデルとプロモデルの2ブランド体制になった
さて、最後に発表されたのが、毎年恒例の新型iPhoneです。
昨年はiPhoneXS/XS MaxとXRという3機種の発表でしたが、今年もノーマル仕様とハイスペック仕様というラインナップは同様。
ただし、今年は性能上の立ち位置を連想しやすい製品名に変更されています。
標準仕様のiPhone11
まずご紹介するのが、標準モデルのiPhone11です。
iPhone11の概要
- CPU:A13Bionic
- ディスプレイ:6.1inch液晶
- 重量:194g
- ストレージ:64/128/256GB
- リアカメラ:12MP*2(広角+超広角)
- フロントカメラ:12MP
- 耐水と防塵性能:IP68等級
- 予約開始日:9月13日21時(日本時間)
- 発売日:9月20日
液晶ディスプレイに多色展開という組み合わせからもわかる通り、こちらの機種は昨年のiPhoneXRの後継となります。
ただ、iPhone XSの廉価版という位置づけだったiPhone XRと異なり、今回はあくまでiPhone11が標準、後述のiPhone 11Proがそのハイスペック仕様という立ち位置で発表されました。
サイズや重量など基本的な部分はiPhoneXRとほぼ同じですが、iPhone11ではリアカメラが2眼仕様になり、人間以外の被写体もポートレート撮影できるように変更されています。
なお、同じ2眼仕様でも従来のiPhoneとは異なり、広角+超広角の組み合わせなので、光学ズームは非搭載。
この機能を使いたい方は、後述のiPhone11Proか型遅れですがiPhone8plusを選ぶ必要があるので注意しましょう。
カメラの性能は画素数こそ変わらないものの、XRからは大幅に進化しており、Proと同様夜間撮影機能(ナイトモード)にも対応しています。
高級コンデジ並みのカメラ性能を求めなければ、iPhone11で十分と言えるでしょう。
iPhone11 Pro/11Pro Max(高機能iPhone)
iPhone11Pro/11Pro Maxの概要
- CPU:A13Bionic
- ディスプレイ:5.8inch OLED(11Pro)/6.5inch OLED(11Pro Max)
- 重量:188g(11Pro)/226g(11Pro Max)
- ストレージ:64/256/512GB
- リアカメラ:12MP*3(広角+超広角+望遠)
- フロントカメラ:12MP
- 耐水と防塵性能:IP68等級
- 予約開始日:9月13日21時(日本時間)
- 発売日:9月20日
見た目で一番わかりやすい変更点は、カメラが噂通りの3眼仕様となったこと。iPhone11は広角系のレンズしかありませんが、こちらは望遠も付いているので、光学ズームの利用も可能です。
また、アプリ側の対応次第ではあるものの、複数のカメラで同時に動画を撮影するような使い方もできるので、YouTuberなど動画撮影をハードに熟される方には特にオススメ出来るモデルと言えます。
さらに嬉しいのが、バッテリーのもち時間が大幅に延びたこと。先代モデルと比較して、iPhone11Proは最大4時間(対XS)、11Pro Maxは最大5時間(対XS Max)も長く使うことが可能です。
ただし、11Proに関してはこれでやっとiPhone11(あるいはXR)に追いついたといった感じなので、実際には「XSよりマシになった」という表現の方が正確でしょう。
新OSのリリースタイミング
今回のイベントでは、秋の新OSのリリース日が正式に発表されました。
各OSの正式版配信予定日
- iOS13……9月19日
- iOS13.1……9月30日
- iPadOS……9月30日
- WatchOS6……9月19日
- tvOS13……9月19日
- macOS Catalina……10月
概ね、新端末の発売に合わせて公開されている感じですね。
macOSを10月にずらしたのはアップデートを集中させない意味合いだと思いますが、今回はiPad Proの新型が発表されなかったので、そちらと合わせて10月に新端末を発表するということなのかもしれません。
まとめ:世界を驚愕させるような内容はないが…
私も発表をチェックしていましたが、今年のiPhoneはカメラ性能の向上を推すばかりで、「高性能カメラを求めないユーザーは最新型を買う必要ないのでは?」と思ったのが正直なところです。
ライバルのGoogleはミッドレンジ帯のPixel3aでもフラグシップ機並みのワクワクを感じられる事を考えれば、Appleは少々ハードウェアに頼りすぎなのかもしれませんね。
ただ、iPhoneの端末の買い替え時期に来ている方は、下記サイトで購入前に詳細をしっかり確認し、買うべきかどうか考えながら予約開始日(9月13日)を待ちましょう。
iPhoneがオンライン予約できる携帯会社まとめ
ソフトバンク・ドコモ・au(KDDI)
Apple:SIMフリーiPhoneを購入可能
なお、今回発表された内容の詳細は、今後個別の記事でより詳しくご紹介する予定です。読者登録やブックマークをして続報をお待ちください。
以上「2019年新型iPhone発表イベント内容まとめ!新型iPhone・iPadだけでなく、ゲームし放題新サービス「Apple Arcade」全容も徹底解説します。」でした。
*1:Photo by [https://www.apple.com/jp/newsroom/:title=Newsroom - Apple公式サイト